流れは鉄道>飛行機? 日立&アルストムが製造「英国版新幹線」360km/hで

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日立とアルストムが最高速度360km/hの高速鉄道車両を英国で生産する。欧州でも鉄道の高速化が遅れていたという英国において、鉄道のプレゼンスを高める象徴的な事業になりそうだ。欧州では確実に鉄道へ追い風が吹いている。

「ようやくグローバルスタンダードに」英国の高速鉄道

日立とアルストムが製造する高速車両HS2(画像:日立製作所)。
日立とアルストムが製造する高速車両HS2(画像:日立製作所)。

 日立製作所とフランスのアルストムのJV(共同事業体)が、英国ハイスピード2社(HS2社)と、同国の「HS2プロジェクト」フェーズ1向け次世代高速鉄道車両の設計、製造、保守に関する契約を締結した。これにともない2021年12月10日(金)、日立が同プロジェクトについてウェビナーを開催。同社鉄道ビジネスユニットCEO アンドリュー・バー氏が概要を説明した。

 HS2向けの車両は、日立とボンバルディアのグループがイタリアで製造するETR400(フレッチャロッサ1000)などとともに、欧州における鉄道の最高速度360km/hでの運転が可能。全長200m、1編成当たり8両を54編成製造する。

 なお、HS2からは保守の契約も12年間であわせて受注しており、契約金額は製造と合わせ19億7000万ポンド(約2957億円)に上る。「日本の新幹線車両やETR400などの実績が評価された」とバー氏は話す。

 2025年から製造を開始し、まずプロジェクトのフェーズ1では、まずロンドンとバーミンガムを結ぶ。54編成はこのフェーズ1の分で、将来的には複数の都市へ乗り入れが想定されており、増備も視野にある。

「最高速度360km/hはいまや、グローバルスタンダードだ。鉄道の高速化が遅れていた英国が、ようやくその仲間に入れる。さらに、この車両は在来線に乗り入れることが可能で、他の都市に高速鉄道が整備されるあいだも活用できる」(バー氏)。