名探偵コナンからゲゲゲの鬼太郎まで 地方空港「愛称」合戦は本当に効果があるのか?
鳥取砂丘コナン空港、米子鬼太郎空港、富山きときと空港――。全国各地には、このような愛称の付いた空港が多くある。一体なぜなのか。その背景と今後の可能性について解説する。
漫画の愛称が付いた例も

愛称が付くことで、空港の知名度向上や利用客増加、増収につながっているのだろうか。
「コナン」の愛称が付く鳥取砂丘コナン空港(鳥取空港)の場合、愛称の使用が開始されたのは2015年3月1日。鳥取砂丘は県内の観光スポット、コナンは人気漫画『名探偵コナン』の作者・青山剛昌(ごうしょう)氏が鳥取出身であることに由来している。空港内の看板のほか、いたるところで名探偵コナンのオブジェが飾られている。
まず乗降客数で見てみると、
・2014年度:34万2926人
・2015年度:36万8099人
・2016年度:37万4168人
・2017年度:40万3526人
・2018年度:41万1804人
と徐々に増加していることが分かる。
定期路線は、鳥取~東京線の1路線のみ。だが近年、インバウンド(訪日外国人客)人気もあり、韓国や台湾からのチャーター便も飛来するようになった。
特に日本のアニメは海外での人気が高く、鳥取県内には米子鬼太郎空港もある。愛称の使用が始まった当初は、多くのコナンファンが現地へ足を運んだため、一定の効果があったと考えられる。
また、隣県である島根県の出雲縁結び空港の場合、出雲大社の縁結びブームと合わせて空港利用者が増加。羽田便を運航するJALが使用機材を大型化したほか、空港発着の出雲大社行き直行バスも人気となった。
他の空港に関しては、利用客の増加につながったとは断言しづらい。ただ、富山県の富山きときと空港のように、その土地を知ってもらうきっかけとして
「ないよりあったほうがいい」
のは間違いない。なお、きときととは富山の方言で「新鮮」という意味。富山は新鮮な海の幸が多いことで知られている。