日本、中国人向けビザ免除「真剣に検討」すべき理由
拡大する中国のビザ免除政策

では、現在の中国のビザ免除政策はどうなっているのだろうか。
中国は渡航再開後、ビザ免除措置を拡大している。コロナ禍以前、中国は15日以内の滞在に対して3か国のビザを免除していた。日本、シンガポール、ブルネイである。これらの国のうち、シンガポールとブルネイは2023年7月にビザ免除措置を再開した。
また、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシアについては、2023年12月1日から2024年11月30日までの期間限定で同様のビザ免除措置が実施されている。これを受けて、マレーシアも中国人の30日以内の滞在に対するビザ免除措置を実施した。
タイもまた、2023年9月25日から2024年2月29日までの期間限定で、観光目的で入国する中国人を対象に30日以内の滞在を対象としたビザ免除措置を実施した。2024年1月2日に両国間で合意された新たな協定では、2月29日以降、両国の国民は同国への入国に必要なビザが恒久的に免除されることが決まった。
また、1月29日にはシンガポールも相互免除に同意する協定に調印した(2月9日発効)。一方、フランス、ドイツ、イタリアは相互免除の対象外である。しかし、2月9日の新たな発表によると、同日以降、海南省はこれらの欧州諸国と日本、韓国を含む59か国にビジネス、貿易、訪問、家族訪問、医療、展示会、スポーツイベントなどの目的で入国する場合、30日間ビザが免除される。
中国メディアの報道によると、現在23か国が中国とビザ相互協定を結んでいる。中国人の入国にビザ免除またはオンアライバルビザ(到着した空港で申請取得)を適用している国の数は60か国と推定される。これにともない、中国のパスポートの「含金量」(実利的価値)はますます高くなっていると中国メディアは報じている。