「バイク = 暴走」というイメージが今も根強いワケ 犯人はマスコミだった? 若者とバイクの歴史を振り返る
過去50年にわたる日本のバイクと若者の歴史を検証し、現代のバイクや新しい乗り物など、二輪車の未来について考える。
ファミリーレストランとバイクの関係

なぜ、80年代ではこれほどにバイクが若者に人気があったのだろうか。それに答える前に、バイクが人気だった当時の社会状況を簡単に見ておこう。
日本では1970年代までに大都市を取りまく郊外に住むライフスタイルが確立し、自動車の世帯所有率が高まるとともに、都市郊外を結ぶ道路の整備が進んだ。それを背景に都市郊外ではロードサイドビジネスと呼ばれる、幹線道路の沿道に駐車場を整備した店舗や商業施設が発達した(小田 1997年)。
その代表格であるファミリーレストラン(ファミレス)は1980年代に大きく成長し、当時の大手であった「すかいらーく」などが全国に店舗を拡大する動きにともない、自動車やバイクで外食に出掛けることも習慣として人々に定着した。
そのような郊外の社会に育った若者にとって、バイクはロードサイドビジネスが提供するサービスを
「個人で楽しむために必要な道具」
だった。
それだけではなく、当時はきょうだいが多く、若者が自分の個室を持つことは難しかったが、コンビニやファミリーレストランで“自分だけの居場所”を見つけることができた。また、バイクは親類や学校という枠組みを超えて、友人や恋人との人間関係を広げるチャンスでもあった。
つまり、当時のバイクは現在のスマートフォンやインターネットのようなもので、特に家族や学校に縛られがちな10代にとって、自分だけの娯楽や人間関係を確保するための重要な手段として位置づけられていたと考えられる。