航空業界の脱炭素化進まず! 切り札の「バイオジェット燃料」、民間企業にはコスト高すぎな現実

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世界の運輸システム全般を見ると、航空分野は脱炭素化の分野で最も遅れている。特に大型機による輸送は、脱炭素化の見通しがほとんど立っていない。

製造コストも課題

航空機業界におけるCO2排出削減量ロードマップ(画像:NEDO技術戦略研究センター)
航空機業界におけるCO2排出削減量ロードマップ(画像:NEDO技術戦略研究センター)

 とはいえ、SAFの普及には、生産供給量の不足以外にも多くのハードルがある。その最大のものが

「製造コストの高さ」

だ。航空タービン燃料油が1Lあたり100円程度であるのに対し、SAFは種類にもよるが200~1000円以上する。この価格差を民間航空会社の営業努力だけで解決することはほぼ不可能である。

 こうしたさまざまな問題に対し、経済産業省資源エネルギー庁は2023年5月26日、新技術の開発から製造・供給までさまざまな支援策を確立する計画を発表した。

 その中核は、廃食油を原料とするHEFA製造の推進・拡大であるが、今後はよりシンプルな原料を使用するeフューエルが主流になるとの見方が強い。筆者(守山進、フリーライター)も、eフューエルが最も有望であるという検証に賛成である。

 航空機分野の脱炭素化計画は、遅くとも2030年か2050年にはビジネスモデルが完成し、SAFが商業レベルで広く使われるようになる。それまで、日本はどのように独自のシステムを準備できるのか。 今後も注視していきたい。

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