翼になぜか「支柱」付き! NASA・ボーイング共同開発機は、これまでの機体より何が優れているのか
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主流となっている飛行機は、主翼に支柱を備えていない。しかし現在、支柱付きの翼を持つジェット機の設計案が検討されている。なぜか。
主翼に支柱を持つジェット旅客機

現在主流になっている飛行機は、主翼に支柱を持たない「片持ち単葉」と呼ばれる形式である。主翼に支柱があるのは、現代では一部の小型プロペラ機くらいにとどまり、速度性能を求められるジェット機の主翼に、大きな空気抵抗を発生する支柱を設けることはない。ところが、環境性能を追求した最近の旅客機開発構想において、支柱を持つ主翼を使ったジェット旅客機の設計案が検討されている。
航空宇宙局(NASA)とボーイング社が進める
「持続可能航空機プログラム」
もそのひとつで、SFD(Sustainable Flight Demonstrator)と呼ばれる実証機には、X-66Aという実験機名称も与えられた。
この技術実証機は旧マクドネル・ダグラス製のMD-90旅客機を改造して開発されるが、改造母機は既にカリフォルニア州パームデールのボーイング工場に搬入されており、2028年に飛行する計画だ。
X-66Aの技術的課題は、細長い極薄主翼を胴体から伸びた支柱で支える
「遷音速トラス支持翼」(TTBW、Transonic Truss-Braced Wing)
の性能と実用性を実証し、高い環境性能を持つ旅客機の実現につなげることである。本機が採用する細長い極薄主翼と支柱の組み合わせは、これまでの実用旅客機には見られない新しい形態だ。