カナダ、新車販売100%“環境車”へ 普及の課題は「広大な国土」「厳しい冬」、35年目標は達成できるか

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カナダ政府は自動車メーカーに対し、2035年までに国内で販売するすべての乗用車をゼロエミッション車にすることを義務付ける規則を発表した。実現できるか。

カナダと世界各国のEV普及目標

カナダの街並み(画像:写真AC)
カナダの街並み(画像:写真AC)

 カナダでは、ZEVはバッテリー式電気自動車(BEV)だけでなくプラグインハイブリッド車(PHV)も含む。この定義によるZEV登録台数と新車登録台数に占めるZEVの割合(カッコ内)は

・2017年:1万9696台(1.0%)
・2018年:4万4283台(2.2%)
・2019年:5万6165台(2.9%)
・2020年:5万4353台(3.5%)
・2021年:8万6032台(5.2%)
・2022年:12万3562台(8.2%)

と、着実に拡大している。カナダ政府のさまざまな政策が、ZEV100%普及の達成につながるのか、今後も目が離せない。

 ここで、世界各国のEV普及政策と、2035年前後の目標(新車販売に占めるEVの割合)を確認すると、

・中国:2035年までに50%以上
・欧州連合(EU):2035年までに100%(合成燃料〈e-fuel〉を除くエンジン車の新車販売を禁止)
・米国:2030年までに50%以上をEVと燃料電池車に
・日本:2035年までに乗用車新車販売における電動車比率を100%

となっている。カナダ政府の目標はEUのそれと似ているが、隣国の米国とは少し隔たりがあるようだ。

 しかし、米カリフォルニア州では2035年からすべての新車販売をPHV、EV、または水素燃料電池車とする規制を導入し、さらに17の州で同様の措置の導入が計画されていることから、米国の一部はカナダ政府の目標に近づいており、

「北米全体の目標」

といえるかもしれない。

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