サービスエリアの「グルメ」人気衰えず! 限定メニュー・ネット配信で魅力倍増、アメリカンドッグ時代からの歴史をたどる
メディア露出・情報拡散を意識して、進化を遂げているSAグルメ。その現状をリポートする。
SAグルメの新時代と歴史
近年、サービスエリア(SA)の食事やテイクアウトフード、食物販(食品販売。その場で食べることを前提としない)の人気が高いことはよく知られている。
わざわざ購入するためにSAに立ち寄ったり、SAごとに名物メニューを食べ歩いたりする人もいるほどである。
過去には情報番組やバラエティーなどのテレビメディアにかなり頻繁に取り上げられていた。
ということで、本稿ではメディア露出・情報拡散を意識して、進化を遂げているSAグルメを見ていきたい。
SAは高速道路などの道路休憩施設として1960年代から整備されている。休憩の一環として食事の機能も導入され、レストランや売店が設置された。日本では1970~1980年代にかけてモータリゼーションが急速に発達、ドライブする人が増加し、SAで食事する人も増えていった。
当時、SAのレストランは定番メニューが中心で、軽食コーナーもすぐに提供できるそば・うどんなどが中心で、今のようにバラエティーに富んではなかった。そのなかでも
「天ぷらそば」
は人気のメニューだが、駅そばと同様に天ぷらは作り置きで、あまり具のない円形の堅いかき揚げがつゆに浸されて提供されていた。しかし、当時からSAでの食事には何か“特別感”があり、筆者(中村圭、商業・観光リサーチャー)は不思議とおいしく感じたものである。
・旅の高揚感
・いつもと違う環境
が味に影響していたのかもしれない。