サービスエリアの「グルメ」人気衰えず! 限定メニュー・ネット配信で魅力倍増、アメリカンドッグ時代からの歴史をたどる

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メディア露出・情報拡散を意識して、進化を遂げているSAグルメ。その現状をリポートする。

民営化での食業態拡充

メロンパンのイメージ(画像:写真AC)
メロンパンのイメージ(画像:写真AC)

 その一方で、食物販に関してはあまり力を入れている感じはなかった。売店ではどこにでもあるスナック菓子を販売したり、お土産物コーナーでまんじゅうやようかんなどの地元の土産物を販売したりしている程度であった。

 例えば東北エリアでは笹まんじゅうが置いてあるなど、ある程度の地域性はあったものの、SAごとにオリジナリティーがあるほどではなかった。

 変化が訪れたのは、東名高速道路の海老名SA(下り)で販売されたメロンパンの人気からである。1993(平成5)年から販売を開始し、口コミで徐々に人気となった。焼きたてを提供し、さくさくしたクッキー生地の食感やメロンの香りが好評で、このメロンパン目当てにわざわざ訪れる人も出てくるほど。比較的近隣の人の購入も見られた。

 この状況はテレビのニュースや情報番組で大きく取り上げられて話題となり、さらに人を集める結果となる。現在は「海老名メロンパン」と呼ばれ、海老名の名物となっている。2018年には48時間で2万7503個(1分間に約9.6個)を販売し、

「48時間以内で最も多く売れた焼きたて菓子パンの数」

でギネス世界記録に認定された。

 2000年代に入り、SAでは有名飲食チェーンのテナントを導入するなどして、食の活性化を図るようになった。さらに、海老名メロンパンのようなSA限定商品の販売にも力を入れている。

 高速道路の持つ集客力のポテンシャルが改めて認識され、テナントがSAを

「出店立地」

として認識するようになったことが背景にある。2005年の民営化以降は、収益化アップのためにリニューアルを推進し、SAごとにテーマや個性を持たせたり、人気店を積極的に導入したりして、食業態も拡充させている。

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