熊本市が福岡市に追いつく日 カギとなるのは「公共交通」だ TSMCも追い風、23日「バス・電車無料の日」で考える
本日12月23日、熊本市でイベント「バス・電車無料の日」が開催される。その名のとおり、地元住民から観光客まで誰でも無料で市内のバスや電車、路面電車に乗ることができる。
熊本市をとりまく状況

熊本県の経済は活況を呈しており、県庁所在地の熊本市は今後最も成長が期待される都市のひとつである。隣接する菊陽町では、半導体受託製造大手の台湾積体電路製造(TSMC)の工場完成が間近に迫っている。関連工場の進出も、人口増加を見越した商店の出店も相次いでいる。
熊本市と阿蘇くまもと空港を結ぶ空港アクセス鉄道の実現も実現する見込みだ。地元の肥後銀行を傘下に持つ九州フィナンシャルグループの試算によれば、熊本県全体への経済効果は10年間で6兆8000億円。
地元では「100年に一度」といわれる経済効果に期待が高まっている。歴史を振り返れば、かつて九州の中心都市であった熊本市は、西南戦争で焼け野原となり、その地位を福岡市に奪われた。それ以来、熊本は九州第2の都市として君臨してきたが、今こそ逆転のチャンスである。
熊本市は長い間、中心市街地と玄関口であるJR熊本駅が分離した構造をとってきた。2010年代以降、熊本駅周辺の再開発が進み、新たな中心市街地となることが期待されてきた。これまで、人口約74万人の熊本市は、福岡市(約153万人)の天神・博多駅周辺のような複合中心市街地への転換が危惧されていた。しかし、現在のこの地域の大規模な経済発展は状況を大きく変えた。
この経済発展のなか、熊本市や周辺市町村の多くの人々が交通渋滞の悪化を懸念している。熊本県と熊本市は、新たな都市高速道路の建設を計画しているほどだ。しかし、すぐにできるわけではない。交通渋滞を悪化させる自動車依存を避けるためには、住民に公共交通の利用を促すことが不可欠である。