駅弁パワーは復活できるか? 時刻表をタイムスリップして考える 東日本編【短期連載】令和駅弁ビジネス考(2)
長年乗客を魅了してきた駅弁。その未来は明るいのか。鉄道と駅弁ビジネスの“交差点”を探り、その可能性に迫る。
東北エリアの駅弁を旅する

次は東北エリアだ。
●奥羽本線 大館駅「鶏めし弁当」
鶏めし弁当は、大館駅前にある花善が提供してきた駅弁だ。1947年の販売開始以来、大館駅とともに歩み、大館駅名物として今日に伝わっている。熟練の職人の経験と技術、そして秘伝のスープが生み出す、冷めてもおいしいを追求した駅弁は、もはや弁当というよりひとつの料理といってもよいのではないだろうか。
花善は2018年にフランス パリに現地法人を、2019年には常設店舗「1899ToriMeshi」を開業しており、鶏めしは既に世界へと旅立っている。パリで食べる鶏めしが、どのような味わいなのかと気になるのは、筆者(ネルソン三浦、フリーライター)だけだろうか。
●奥羽本線 米沢駅「牛肉どまん中」
米沢は、米沢牛の産地だけあって、その昔からすきやき弁当、牛肉弁当が販売されていた。歴史のあるなかで、1921(大正10)年創業の新杵(きね)屋が、山形新幹線開業時に新たに開発した駅弁が牛肉どまん中だ。一度耳にしたら忘れることのないネーミングに愛着を覚えるとともに、駅弁にはネーミングが大切だと感じる代表例といえる。
ちなみに、どまん中とは、山形県産米である。1985年当時は、ササニシキ弁当が圧倒的に多かったが、ササニシキが作られなくなった今ではみかけない。ササニシキ弁当は、ブランド米が作られなくなり消滅した駅弁の代表例だろう。