脱「100m先も車移動」 地方の課題を解決する「モビリティハブ」とは【牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線#3】

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コロナ禍で一気に加速したカーボンフリー社会実現への取り組み。それらを先導するはEVステーションでもなければ、自動運転でもない。今や世界で一大ブームとなっているのが「モビリティハブ」だ。市民に多様な選択肢を提供する取り組みが世界中で始動している。

わずか100mの移動、4人に1人はクルマで移動

生活の足として車が欠かせない地域のイメージ(画像:写真AC)。
生活の足として車が欠かせない地域のイメージ(画像:写真AC)。

 今やマイカーは生活の足となっており、クルマがなくては生活が成り立たないといっても過言ではない。

 山形では、わずか100mの移動に、4人に1人はクルマを使用している実態が報告されている(2017年、山形広域都市圏パーソントリップ調査)。これは山形に限った話ではなく、同様の現象は全国で見られる。

 一方で、大量の買い物難民が生じている。例えば、農林水産省農林水産政策研究所が行った調査では、生鮮食料品店舗へのアクセスが悪い(自宅から店舗までの直線距離が500m以上あり、かつ、自動車を保有しない)65歳以上の人口について、2010年が382万人なのに対して2025年には598万人まで増加すると推計している。特に都市部で今後増加するとの見通しだ。

 カーボンフリー社会の切り札として、EV(電気自動車)が注目されているものの、それだけではカーボンフリーどころか、人々の日常的な生活すら解決が困難であることは明らかだ。今や乗用車の平均使用年数は13年を超え、EVの普及が2022年から本格化したとしても、8000万台強の自動車保有台数がEVや水素に置き換わるには果たして何年かかるだろうか?