新幹線のワゴン販売がなくなったら、「食堂車」は復活するのだろうか?

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新幹線は、その快適な車内空間と走行速度の速さから、多くの人に利用されている。その一環として、新幹線の食事サービスも大きく進化している。

サービスの縮小と背景

東海道新幹線のホーム上等に設置している自動販売機(画像:JR東海)
東海道新幹線のホーム上等に設置している自動販売機(画像:JR東海)

 各社は、質の高い食事を提供するための努力を続けている。しかし一方で、新型コロナウイルスの影響や人材不足から、サービスの縮小が進んでいる。

 JR東海の発表によると、新幹線車内ワゴンサービスは2023年10月末で終了し、提供メニューも一部縮小される。これは、コンビニなど車外で購入できる場所が増えるためだ。報道によれば、2008(平成20)年からの10年間で、車内販売の売上額は約45%減少しているという。

 サービス業における人材不足も新幹線の課題である。JR東海によると、のぞみ・ひかりの約3割の列車で、販売員が通常の3人からふたりに減らされているという。JR東海によると、のぞみとひかりの約3割の列車で販売員を通常の3人からふたりに減らした。これは、すべての列車に対して十分な数の販売員を確保することができないためである。確かに、東海道新幹線は16編成で運行されており、そのなかにふたりしかいないのは非常に過酷だ。

 そして決定的なのは、新型コロナウイルスの感染拡大により、臨時運休やサービス縮小が発生したことだ。人との接触を避ける対策がとられ、サービス提供体制にも影響が出た。

 しかし、JR東海は2023年11月から、こだま号を除くグリーン車利用者だけが利用できる「モバイルオーダー」を導入した。これは、各座席に備え付けの冊子に記載されたQRコードを読み取り、専用サイトにアクセスすることで、座席に座ったまま注文できるシステム。従来のように販売員が来るのをじっと待ったり、周囲を気にしすぎたりする必要はない。

 そのほか、のぞみ駅のホームには東海道新幹線名物のスジャータアイスの自動販売機も設置された。ただ、自由席・指定席で飲み物や駅弁が買えなくなるのは不便に感じる人も多いだろう。

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