新幹線のワゴン販売がなくなったら、「食堂車」は復活するのだろうか?
新幹線は、その快適な車内空間と走行速度の速さから、多くの人に利用されている。その一環として、新幹線の食事サービスも大きく進化している。
食事車両の難題
前述の「グランクラス」では、一部食事サービスが提供されている。一方、“下火状態”だった食堂車も、現在はJR東日本の「サフィール踊り子」やJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」など、高級有料特急を中心に連結・運行されている。食堂車の数も増えた。
では、新幹線のワゴン販売がなくなれば、食堂車は復活するのだろうか。JR東海代表取締役社長である金子慎氏は以前、東洋経済のインタビューで、「リニア開業後には、ひかり号やこだま号の増発の余地はあるが、食堂車を復活させるには経営的に厳しいところがある」とコメント。新幹線の食堂車復活までは、難しい道のりのようだ。
新幹線の食事事情については、こんなデータもある。交通経済研究所が以前行った調査によると、新幹線車内での過ごし方を尋ねたところ、「休息・睡眠」が最も多く、次いで「趣味・娯楽」で、このふたつで全体の約6割を占めている。一方、食事をとるために新幹線を利用する人は全体の1割程度にとどまった。
しかし、「専用車両のアイデアとしてどういうものが良いか」という質問には、約3割の人がビュッフェを含む「食事車両」を挙げている。新幹線でくつろぎたい人が多い一方で、食事を楽しみたい人の需要もあるようだ。
現在、新幹線の食事サービスでは、地域や季節に合わせた特色あるメニューの提供や、快適な食事環境の整備が求められている。これにより、新幹線の旅がより豊かな食の体験となることが期待される。