はとバスツアーはなぜヒット連発なのか? 社員1人で「年50本以上」の企画出し、しかも採用率は2割以下という賜物だった

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はとバスの利用客は着実に増えている。10月の東京観光ツアーは前月比約27%増の5万2000人だった。その背景にあるパワーを探る。

制限区域内の新体験が人気

はとバス(画像:はとバス)
はとバス(画像:はとバス)

 はとバス(東京都大田区)の利用客は着実に増えている。10月の東京観光ツアーは前月比約27%増の5万2000人だった。新型コロナの影響により、はとバス利用者も一時急減したが、その後順調に回復し、2022年度(2022年7月1日~2023年6月30日)の東京観光利用者数は43万7135人と、前年の約3倍に拡大している。

 今大人気なのは、はとバス75周年を記念し、6月にリニューアルした「羽田空港ベストビュードライブ」だ。空港内では、許可された車両のみが走行できる制限区域内を走行する。バスの車窓から、駐機中の航空機や離着陸する航空機を間近に見られる。リニューアルにより、新たに

「制限区域内でバスから降りる時間」

を組み入れ、航空機の迫力をより間近に体感できるようにした。

 2023年1月から運行開始を開始した「リラックマ×はとバスコラボ企画 リラックマとおでかけ ごゆるりはとバスツアー」も好調だ。サンエックス(千代田区)のキャラクター「リラックマ」20周年を記念し、リラックマをデザインしたラッピングバスで運行する。参加者限定のさまざまな特典も用意している。

 幾度にもわたる逆風に耐えて、はとバスが人気を維持している理由は、

・長年の経験によって培われた「企画力」
・さまざまな障害を突破して商品化する「突破力」

である。

 はとバスでは、担当者が企画を持ち寄り、意見を戦わせて商品化するコースを選定する企画会議が行われている。かつては、ひとりの担当者が

「年間に50本以上」

の企画を提案していたという。商品化までこぎ付ける企画はその2割以下だ。その厳しさから、会議は

「企画千本ノック」

とも呼ばれていた。

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