スズキのEV戦略 カギを握るインド生産「SUV」「軽EV」、国内は後発も低価格帯投入の可能性あるのか
ジャパンモビリティショーで出品されたコンセプトモデルからスズキのEV戦略を浮き彫りにし、決算発表内容から今後のEV戦略を読み解く。
低価格路線、国内軽EVブームの可能性
スズキの国内販売台数はグローバル販売台数の約2割だが、そのうち軽自動車が8割以上を占め、国内の四輪事業戦略の重要なセグメントとなっている。
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軽EVで先行する日産・三菱連合には後発ながら、スズキは先のモビリティショーで軽EVコンセプト「eWX」とバッテリー式電気自動車(BEV)の商用軽バン「eエブリイコンセプト」を発表した。
eWXのコンセプトは「毎日の生活に寄り添う軽ワゴンEV」で、
・スズキの軽自動車の特長である楽しく実用的な軽ワゴンと、EVらしい先進感をクロスオーバーさせたコンセプトモデル
・EVらしくすっきりとしたシンプルなボディ造形に、親しみやすいキャラクターを施したエクステリアと、軽やかで使いやすく居心地の良い室内空間で、毎日の生活を支える「相棒」のような存在を表現
などと紹介している。
軽EVの発売は2025年以降だが、2022年5月に発売された日産「サクラ」や三菱「ekクロスEV」のモデルチェンジ前に発売するのが狙いだろう。
スズキは、日産と三菱の両モデルのユーザーの反応を徹底的に市場調査しながら、軽EVのコンセプトを固めるものと推測される。1979(昭和54)年に発売した初代「アルト」のように、競合車より2割以上安い価格帯で、思い切った低価格帯の軽EVを投入する可能性もある。
装備を極限まで簡略化し、“生活の足”として安価で便利な軽EVが大ヒットし、国内のEV市場に一大ブームを巻き起こすかもしれない。スズキが今後どんな軽EVを投入してくるのか、お手並み拝見だ。