スズキのEV戦略 カギを握るインド生産「SUV」「軽EV」、国内は後発も低価格帯投入の可能性あるのか
ジャパンモビリティショーで出品されたコンセプトモデルからスズキのEV戦略を浮き彫りにし、決算発表内容から今後のEV戦略を読み解く。
マルチスズキ、市場制覇への布石

インドの乗用車市場は現在、中国、北米に次いで世界第3位で、2022年の新車販売台数は前年比22.2%増の380万台だ。このうちEVは4万台余りと全体の1%にすぎないが、本格的なEVシフトに備え、インド政府は2030年の新車販売台数のうち、
・四輪車(乗用車)の30%
・商用車の70%
・二輪車の80%
をEVとする目標を掲げている。
インドでは28州のうち半数がEV政策を発表し、産業支援や企業誘致に積極的だ。ちなみに乗用車の30%は約180万台で、EV市場が今後急拡大する見込みである。
2023年10月のインド新車販売台数は34万1000台で前年比17.3%増。トップシェアのマルチスズキが前年同月比20.0%増の17.2万台、2位のタタが8万台余りで続き、マルチスズキがタタの倍以上の販売台数で単独首位となっている。
2024年3月期中間決算資料とジャパンモビリティショーでのプレスリリースによると、スズキの2030年度に向けたインド市場での今後の取り組みは次のとおりだ。
・販売台数目標を年間300万台(シェア50%)
・計6車種の新型EVを投入
・年間生産能力400万台(22年度比で約2倍)
・EVおよび車載用電池の現地生産などに約1044億ルピー(約1900億円)を投資
さらに、インド市場での提携を深めているトヨタ自動車は最近、インドに第3工場を建設し、年間生産能力10万台の約3分の2をマルチスズキに割り当てることを発表した。インド政府のEV普及政策に沿って、スズキはEV事業の拡大路線を進めることになりそうだ。
その一方、競争が激化する国内軽自動車市場におけるスズキのEV戦略を見てみよう。