率直に言う もはや日本に「公共交通」を維持する力はない
日本の公共交通は重要な転換期を迎えている。この状況を理解するためには、まず日本の人口動態を見る必要がある。
フランスの成功事例と交通権概念

今こそ公共交通を見直し、改善する最後のチャンスである。解決策は、単に赤字路線に公的資金を投入することではなく、人口減少や人口移動を考慮した抜本的な対策を講じることだ。
例えば、将来的に再生が見込めない郊外のニュータウンでは、中心部への移住を促す政策を考慮に入れるべきである。これらの施策に基づき、公共交通網の再設計が必要である。
その財源として、交通税の導入を検討するのもひとつの方法である。現在の交通税は誤解されている。例えば滋賀県では、交通税は赤字の近江鉄道を維持するための税制と見られがちだが、実際は地域全体の公共交通を支えるための税制である。公共交通を維持することは、地域全体の利益につながるのだ。
フランスは世界で初めて交通税を導入した国であり、「交通権」の概念を広めることに成功した。この交通権とは、すべての国民が公共交通を利用する権利があるという考え方である。
具体的には、国や地方自治体は、すべての住民に安全で利用しやすい公共交通サービスを提供することが求められている。これにより、交通サービスが社会の隅々まで行き届き、高齢者、障害者、低所得者など自家用車の利用が困難な人たちを含め、誰もが自由に移動できるようになる。