率直に言う もはや日本に「公共交通」を維持する力はない

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日本の公共交通は重要な転換期を迎えている。この状況を理解するためには、まず日本の人口動態を見る必要がある。

交通弱者、若年層も増加

公共交通運賃と自動車等購入・維持費(画像:業平橋渉)
公共交通運賃と自動車等購入・維持費(画像:業平橋渉)

 公共交通についても見てみよう。2000(平成12)年から2019年まで、消費支出総額に占める公共交通の割合は2%前後で安定していたが、2022年には1.5%まで低下した。この原因は、新型コロナウイルスの感染拡大によるテレワークの普及と関連づけられる。失われた0.5%が今後回復するかどうかについては悲観論が根強い。

 一方、自家用車への支出は2000年の8.1%から2022年には9.1%に上昇している。これは、この二十数年で公共交通の利便性が低下し、自家用車にシフトしたためと考えられている。

 国土交通省のデータによると、全国各地域の公共交通と自家用車の年間支出額は次のようになっている。

 現在、地方では公共交通が乏しく、自家用車が不可欠である。しかし、その購入や維持には多額の費用がかかる。高齢化と人口減少で経済が停滞している地方では、自家用車を維持するのはますます難しくなっている。

 現状では見過ごされがちだが、潜在的な“交通弱者”は意外に多いのかもしれない。地方における交通弱者は、運転が困難になった高齢者だけではない。低賃金のために、若い世代が自家用車を維持することが難しくなっているケースも増えている。

 一例として、自動車への支出が多い北陸3県の最低賃金は次のとおりである。

・富山県:948円
・石川県:933円
・福井県:931円

 この賃金では、自家用車の購入・維持はかなりの負担となる。そのため、地方の経済規模が縮小するにつれ、自家用車を所有できる人口も減少していくことが予想される。

 しかし、そのような地域の多くでは、自家用車に乗客を奪われ、公共交通はすでに消滅している。結果、あらゆる年齢層の“交通弱者”が増加し、将来的に社会問題となる可能性が大きい。

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