下北沢の再開発は本当に正しかったのか? 新しい街が完成して1年半、今こそ「ノスタルジー」「思い出補正」を超えた議論が必要だ

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2022年5月下旬に旧線路跡地を利用した大型開発「下北線路街」が完成してから1年半の年月が過ぎた。再開発は本当に正解だったのか。

新しい街が完成して1年半

下北沢(画像:写真AC)
下北沢(画像:写真AC)

 小田急線の東北沢~世田谷代田間が地下化され、2022年5月下旬に旧線路跡地を利用した大型開発「下北線路街」が完成してから1年半の年月が過ぎた。

 実際に小田急線が地下化されたのは2013(平成25)年3月であり、以降、複々線化工事や開発プロジェクトが順次進行し、およそ10年かけて街開きとなった。

 下北線路街が完成してからというもの各種メディアに取り上げられ、生まれ変わった下北沢が全国に発信され、知名度が上がって人が集まるようになったのはいうまでもない。

 元々下北沢は、

・劇場
・ライブハウス
・中古レコード店
・古着ショップ
・グルメ

など、“サブカルの街”として知られていた。小田急線のほか京王井の頭線でもアクセス可能で決して交通の便が悪いわけではなかったが、都心部から少し離れていることもあり、決してメジャーな街とはいえなかった。

 筆者(山本哲也、交通ライター)も学生時代は、お気に入りの中古レコード店に通ったり、昭和な雰囲気が漂う街並みや商店街が好きで、特にあてがあるわけでもなくぶらぶら歩いたりしたものだった。

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