下北沢の再開発は本当に正しかったのか? 新しい街が完成して1年半、今こそ「ノスタルジー」「思い出補正」を超えた議論が必要だ

キーワード :
, ,
2022年5月下旬に旧線路跡地を利用した大型開発「下北線路街」が完成してから1年半の年月が過ぎた。再開発は本当に正解だったのか。

街は「生き物」

下北沢(画像:写真AC)
下北沢(画像:写真AC)

 街は時代とともに刻々と変化する“生き物”である。

 線路の地下化や高架化、再開発だけでなく、建物の老朽化による建て替え、道路整備や区画整理により、人に手を入れ続けられるのは、ある意味街の宿命といえよう。

 最近になって初めて下北沢に降り立った人にとっては、電車の音といえば京王井の頭線1択であり、

・小田急線の線路の上にできた新しい街
・周辺の古い街が交わった今の風景

が下北沢なのである。「ノスタルジー」「思い出補正」を超えた議論が求められる。

 小田急線が地下にもぐって歩きやすくなり、かつ駅の発車ベル・放送、列車の音など鉄道から発する音もなくなって街が変化し始めた時点で、昔の下北沢は良い思い出として胸にしまっておき、別の街としてこれからの変化を期待しつつ、下北沢を楽しむのが正解なのか。

 かつての下北沢を謳歌した人たちは、どう思っているのだろうか。ぜひ聞かせてほしい。

全てのコメントを見る