韓国ソウル地下鉄新型車両に東芝の永久磁石同期モーター納入完了 海外展開を推進
韓国ソウル地下鉄の新型車両、計336両に東芝の永久磁石同期電動機(PMSM)が納入された。日本の電車で採用を増やしてきた電動機で、エコかつコンパクトなのが特徴。海外展開をさらに進める構えだ。
海外3例目の納入事例に
東芝インフラシステムズは2021年12月17日(金)、韓国ソウル地下鉄の新型車両336両の永久磁石同期電動機(Permanent Magnet Synchronous Motor、以下PMSM)など主回路電気品の納入が完了したと発表した。
PMSMは回転子に永久磁石を使用した高効率電動機で、従来のシステムより大幅な消費電力量の削減が可能。さらに電動機内部の発熱量が減るため「全閉自冷式」を採用しており、低騒音化ともに内部への塵埃侵入が防止され、メンテナンスも容易になるという。インバーター装置も従来の半分ほどに小型化が図られる。
PMSMは2006年に東芝が実用化して以降、JR東日本やJR九州、東京メトロ、阪急、阪神、西武、東武などの電車のほか、JR貨物のハイブリッド機関車にも採用されている。
ソウル地下鉄の新型車両への納入は海外の鉄道事業者として3例目。東芝はソウル地下鉄を含め、1990年代より韓国市場向けに2000両以上の電車や電気機関車の電気品を納入してきた実績もある。
この新型車両はソウル地下鉄5号線、7号線で運行予定。東芝インフラシステムズは、「省エネ効果が高く環境負荷低減に貢献するPMSMシステムを、韓国を始めとする海外鉄道市場に向けて積極的に展開していきます」としている。