日立 イタリアに2階建て車両を50編成納入へ 包括契約で受注3回目
最大120編成納入の包括契約の一環
日立製作所のグループ会社「日立レールSTS」は2021年11月、イタリアの民営高速鉄道事業者「FERROVIENORD」と鉄道車両の納入契約を締結。
FERROVIENORDはイタリア北部でミラノを中心に鉄道事業を展開。所属するロンバルディア州は車両更新計画で19億5800万ユーロを投資し、222編成の列車を導入するとしており、その一環でFERROVIENORDも順次古い車両を置き換えていく動きとなっている。
日立レールSTSは2018年にFERROVIENORDの親会社であるFNMと締結した車両納入に関する包括契約の一環で、4両編成と5両編成を含む50~120編成の2階建て車両を供給するという内容になっている。
この包括契約のもと、これまで2回の個別契約で55編成225両を受注済み。今回の契約では新たに、50編成を約597億円で納入することとなる。
車両は「Caravaggio型」電車で、これまで4両編成が21編成納入され、営業運転中。最高速度は160km/h、起動加速度は1.1m/s2で、オール2階建て構造を活かし5両で598の座席数、18台分の自転車用スペース、2台分の車椅子用スペースを有する。
新たに納入する50編成のうち40編成は5両編成、残り10編成は4両編成。受注済みの分と合わせ、5両編成が60編成、4両編成が40編成、5両が「Rock型」電車の計105編成となる。今回50編成が製造されるのは、イタリア南部のレッジョ・カラブリアおよびナポリにある日立の工場だ。今後、2022年10月から2024年10月にかけてFERROVIENORDに納入される。
FERROVIENORDの本社所在地ミラノのあるロンバルディア州の州知事と同市市議会議員は「新しく、最先端の列車を提供することは、乗車体験を向上させることであり、州によるあらゆる努力はこのゴールを目指しています」と話す。
FERROVIENORDの親会社であるFNMの社長は「新しい車両は着実に運行投入されており、サービスの質、快適性、持続可能性へ大きく可能しています」、日立レール社のイタリア国内の車両部門の営業部長は「新しい受注を喜ばしく思います。私たちは脱炭素戦略に沿って、人々が自家用車から公共交通に乗り換えることを促進する、魅力的な製品を納入することにより、持続可能なモビリティの工場を目指しています」とそれぞれ話す。