渋谷の再開発は成功する? IT企業大量誘致で“オフィス都市”の未来、ポストコロナの東急の戦略とは

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東急が提唱する「私鉄3.0」とは何か。

渋谷再開発とIT企業

武蔵小杉(画像:写真AC)
武蔵小杉(画像:写真AC)

 なお、この第6章のあとに置かれたコラムでは、武蔵小杉に関して、東急は武蔵小杉の成長可能性を見誤っていたとの反省の弁も述べている。デベロッパーには

・狩猟型
・農耕型

があり、農耕型の東急は武蔵小杉の開発のスピードについていけなかったというのだ。

「私鉄2.0」は、このような再開発を通じて、沿線を再活性化し、鉄道とそれに付随するさまざまなサービスの需要を掘り起こそうとするものである。

 では、「私鉄3.0」とは一体何なのか。

 本書を読んでも、はっきりとしたイメージは湧きにくいが、鉄道会社とそのグループを持つデータを生かして沿線住民にさまざまなサービスを提供していくことが想定されている。ただし、いわゆる「スマートシティ」については、著者は現時点では難しいと考えており、現在の東急が取り組むべきプロジェクトではないと見ている。

 最後に著者が渋谷について述べている部分についても触れてみたい。

 渋谷は東急にとっても特別な街であり、ストリート文化やサブカルチャーが根付き、若者のまちとして発展したが、大きな床のオフィスとは無縁の街だった。

 ところが、渋谷の小さなオフィスにIT企業が集まりだし、「ビットバレー」と呼ばれるようになった。こうしたIT企業を受け入れるようなオフィスをつくることが渋谷再開発のひとつのねらいとなる。

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