渋谷の再開発は成功する? IT企業大量誘致で“オフィス都市”の未来、ポストコロナの東急の戦略とは

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東急が提唱する「私鉄3.0」とは何か。

東急の成功事例

「nexus(ネクサス)構想」のイメージ(画像:東急)
「nexus(ネクサス)構想」のイメージ(画像:東急)

 本書では「私鉄3.0」という概念が提唱されている。

 人口が都市部に集中するなかで郊外へと路線を伸ばし、同時に沿線で宅地開発を行い、さらにターミナル駅などで商業施設などを整備していった。これが「私鉄1.0」と呼ばれる経営スタイルである。

 次の「私鉄2.0」は、人口増加基調が頭打ちになり、郊外の開発も一段落した時点での経営である。既存のエリアの再開発を進めながら、都心への通勤需要以外の需要も生み出していこうというのだ。

 東急の取り組みとしては、二子玉川ライズの再開発があげられている。楽天の本社の移転もあり、通勤時間帯の逆方向の需要を生み出すことに成功した。

 本書の第6章では、東急沿線の“変貌する街”として、

・代官山
・中目黒
・自由が丘
・武蔵小杉
・新綱島
・横浜
・二子玉川
・鷺沼
・たまプラーザ
・すすき野
・藤が丘
・大井町
・蒲田

があげられている。

 このうち、新綱島は2023年3月に開業した東急新横浜線につくられた新駅であり、すすき野は東急田園都市線のあざみ野駅からバスで2~3kmほどのところにある。

 すすき野は東急が横浜市と連携しながら、「nexus(ネクサス)構想」というまちづくりを進めており、2030年頃には横浜市営地下鉄ブルーラインが延伸され、駅もできる予定だ。ここで東急は、たまプラーザの再開発で得たノウハウを生かして開発を進めようとしている。

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