鉄道でトラックごと輸送 一世を風靡した「ピギーバック輸送」は2024年問題の助っ人になれるか?

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ピギーバック輸送とは、トラックやコンテナを鉄道で“直接”輸送する方法で、主に欧米で行われているが、実は日本でも以前から試みられていた。日本では国鉄末期の1986年11月に導入された。

規制緩和の影響

トラック(画像:写真AC)
トラック(画像:写真AC)

 この実験運行のために、日本石油はJR貨物などと共同でタンクローリー専用貨車「クキ1000」を開発した。

 しかし、タンクローリーのピギーパック輸送は、巨額の投資にもかかわらず、わずか4年間の運行で1996(平成8)年に廃止された。この頃には、ピギーパック輸送が貨物輸送の話題に上ることはなくなっていた。短期間で需要がなくなったのだ。原因は

「トラック輸送とのコスト競争」

がなくなったことだ。

 1990年に施行された物流2法、

・貨物自動車運送事業法
・貨物運送取扱事業法

によって、トラック運送業界は規制緩和された。これにより参入障壁が下がり、新規参入が相次いだ。1990年には一般貨物自動車運送事業者は3万6485事業所だったが、2000年には5万401事業所(38%増)にまで増加した。

 さらに、物流2法によって運賃が届け出制に変更された。これにより、物流業界では激烈な値下げ競争が常態化した。日本銀行の「企業向けサービス価格指数」のうち、道路貨物運送の価格指数は

・1995年:100
・1996年:98.7
・2002年:97.1

と急速に低下した。

将来を期待されたピギーバック輸送は、規制緩和の波に敗れたのである。

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