北陸新幹線「敦賀延伸」 現状は金沢“独り勝ち” 福井県に正直勝ち目はあるのか?

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北陸新幹線が2024年3月、福井県敦賀市へ延伸する。福井県は観光客獲得で金沢独り勝ち状態を打ち破ろうと懸命の模索を続けているが、苦戦を避けられそうにない。

逆風となった金沢~敦賀間の運行本数

敦賀市内を走る北陸新幹線の高架(画像:高田泰)
敦賀市内を走る北陸新幹線の高架(画像:高田泰)

 福井県は敦賀延伸で金沢市を訪れる観光客を引き入れようとしているが、成功への壁は高い。福井県の主要観光地は

・東尋坊(坂井市)
・永平寺(永平寺町)
・福井県立恐竜博物館(勝山市)
・芦原温泉(あわら市)

など各地に分散している。

 JR西日本と地方私鉄の福井鉄道、えちぜん鉄道、並行在来線として経営分離される北陸本線を運行する第三セクターのハピラインふくいなどで結ぶことになるが、運行本数の少ない区間もある。観光地それぞれの魅力はそれほど引けを取らなくても、中心部の徒歩圏内に名所が集中する金沢市に比べると、観光客へのアピールが難しい。

 JR西日本、JR東日本が打ち出した運行計画も福井県にとって逆風だ。東京発着の「かがやき」「はくたか」計24往復のうち、4割に当たる10往復は金沢が終着駅となる。加賀温泉駅が設けられる石川県加賀市の宮元陸市長がJRの計画発表後、

「寝耳に水。本数が少ない」

と不満を漏らしたが、この状況は福井県も変わらない。

 福井市であった長谷川一明JR西日本社長らの記者会見では、この運行格差について地元記者から質問が相次いだが、長谷川社長は

「利便性、ニーズに合わせて運行する」

と述べ、金沢重視の姿勢を崩さなかった。

 これに対し、福井県新幹線開業課は

「県内の観光施設を磨き上げ、観光客を引き込みたい」

と地道な努力を強調する。敦賀延伸を100年に一度のビッグチャンスと位置づける福井県が、どうやって観光客を引き寄せるのか、正念場はこれからだ。

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