「ライドシェア解禁」はフランスから学べ 成長著しい背景には“ボーナス制度”があった!【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(17)
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急成長するフランスのライドシェア。2年半で600万回の移動があり、利用者は50%以上増加。温室効果ガスの削減も図る。
“3方良し”の政策
フランスでは、2021年から政府主導によりライドシェアを解禁しているのをご存じだろうか。
スタートしてから2年半が過ぎ、600万回の移動実績があり、2022年よりも
「50%以上」
利用者が増加、気候危機の切り札として政府が積極的に推進している交通政策のひとつが相乗り政策だ。
フランスも日本と同様に、短距離のマイカー利用は、運転手ひとりの場合が多い。そこで、マイカーで移動している人と移動したい人をアプリでマッチングし、1台当たりの乗車効率を高め、移動する台数を減らしながら移動総量を増やすことで、結果、温室効果ガスを削減するといった“3方良し”の政策がフランス式ライドシェアだ。
港湾都市ラロシェル(人口7万、都市圏人口17万)の場合、クラジット(2023年4月にはブラブラカーに買収)という相乗り専用アプリを用いて、運転手が誰かを同乗させると、1~2ユーロ(156~317円)の報酬が運転手に支払われる仕組みを導入している。
ラロシェル都市圏に発着地がある10km以内の移動は、
「同乗者ひとり当たり1ユーロ」
と一律であり、10kmを超えると1km当たり0.1ユーロ割り増しされ、最大で2ユーロまでの報酬を運転手が得られる。
1回の移動では最大3人までの乗車が認められている。ただし、運転手の報酬には月当たりの上限額が定められており、最大80ユーロ(約1.3万円)とされている。もちろん、同乗者は無料である。
なお、2023年4月24日からは、5km未満の都市部での移動は対象外となっており、実証を重ねながら見直しも進められている。