「ライドシェア解禁」はフランスから学べ 成長著しい背景には“ボーナス制度”があった!【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(17)
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成長著しいサービスとボーナス制度

2022年夏ごろには、サービス開始からわずか9か月で30の企業が参加し、アプリには5300人の利用者登録、3万回を超える利用実績があった。
2022年9月のとある1日の利用状況をみてみると、190人の運転手が相乗りサービスを利用し、同乗者は400人ほどだったそうだ。結果、この日の行政からの補助額は1000ユーロ(約14.5万円)であり、その日削減されたCO2は1tであった(注・2022年は運転手に支給される金額が倍であった)。
運転手や同乗者のプロフィルには趣味などもアプリを通して知ることができ、気の合う人同士の交流の場としても期待されている。もちろん、会話をしたくない人も事前に把握できるため、運転手とのほどよい距離感も確保できるように配慮されている。
ラロシェルだけではなく、相乗りサービスはフランス全土に広がっており、地方自治体が相乗りサービスを手掛ける事業者と契約をし、全国均一の相乗りモデルの普及を推進している。先のクラジットの場合には、
・パリ首都圏
・モナコ
・モンペリエ
・アンジェ
・ナント
・ルーアン
はじめ8都市圏と現在契約している(なお、フランス政府から補助が受け取れる認定事業者は18事業者である)。
2023年に入りフランス政府は、全国相乗り5か年計画を策定し、1日90万回の相乗り利用を5年後に3倍にする目標を掲げ、そのために、1月からは運転手に100ユーロのボーナス特典を新設した。
このボーナス制度は、最初の利用で25ユーロが支払われ、さらに3か月以内に9回の相乗りを実施した人に追加の75ユーロが支払われるものだ。このような新たなボーナス制度もあり、利用者は順調に推移しているようだ。
ちなみに、5年間の総予算額は1億5000万ユーロ(約240億円)であり、予算面からもフランス政府の“本気度”がうかがえる。