クルマの中から映画鑑賞 「ドライブインシアター」はなぜ廃れたのか? その原因とブーム再燃の兆しに迫る

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1990年頃をピークに人気を博したドライブインシアター。しかし、その人気は徐々に廃れていった。一体なぜか。

ブーム再燃の兆し

ドライブインシアター阿蘇(画像:熊本県)
ドライブインシアター阿蘇(画像:熊本県)

 姿を消したドライブインシアターだが、新型コロナウイルスの感染拡大により、再び利用価値を見いだされることになる。屋内の映画館では避けられなかった

「人との接触や密集」

を、ドライブインシアターなら解決できることに目がつけられたのだ。

 コロナ禍において、米国では普段の2倍以上の売り上げを記録したシアターもあり、日本でもショッピングモールの駐車場に会場を設け、ドライブインシアターが特別に開催されたこともあった。

 人との接触を避け、外での娯楽についても自粛を余儀なくされるなど、さまざまなものが制限されていたなかで、ドライブインシアターは楽しみを提供してくれる貴重な存在であったといえる。

 コロナ禍で再注目されたドライブインシアターだが、実はそれ以前に日本国内で復活の動きが少しずつ見られた。

 2017年6月に雑誌フィガロジャポンにより開かれた2夜限りのドライブインシアターや、2019年末に神奈川県逗子で行われた「シネマ・キャラバン・ドライブイン・シアター」など、コロナ禍以前から短期間のイベントとしてのドライブインシアターはたびたび開催されていたのだ。

 自宅で簡単に映画を見ることができる時代だからこそ、

「あえて特別な環境で映画を体験したい」

という消費者が増えた背景もあり、開催されればチケットが完売するなど徐々に注目が集まっていた。

 さらに2018年11月には熊本県阿蘇市に「ドライブインシアター阿蘇」がオープンし、日本では姿を消していた常設のシアターが復活したのだった。

 きっかけはさまざまだが、ドライブインシアター復活の兆しが見えているのは間違いないだろう。では、これからどのように発展していくのだろうか。

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