クルマの中から映画鑑賞 「ドライブインシアター」はなぜ廃れたのか? その原因とブーム再燃の兆しに迫る

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1990年頃をピークに人気を博したドライブインシアター。しかし、その人気は徐々に廃れていった。一体なぜか。

衰退したワケ

ドライブインシアターは天候によって営業が左右されてしまうデメリットが(画像:写真AC)
ドライブインシアターは天候によって営業が左右されてしまうデメリットが(画像:写真AC)

 ドライブインシアターが減った理由として、次の要因が挙げられる。

・夜しか営業できず上映が天候に左右される
・原油価格や地価の上昇
・アイドリングストップの推進

これらの映画上映に関する課題が浮き彫りになったほか、

・映像作品のレンタルサービスが普及した
・郊外にあるショッピングモールに併設された複合映画館(シネマコンプレックス)が広がった
・他の娯楽産業が登場してきた

という理由から、ユーザー離れが加速した。

 もともと、子連れも気兼ねなく映画を見ることができるようにというコンセプトで始まったドライブインシアター。その需要にマッチしていたことから人気が出たものの、複合型映画館が普及したり、レンタルサービスにより家庭内で簡単に映画を楽しめるようになったりしたことで、わざわざクルマを走らせドライブインシアターで映画を見る

「必要性」

がなくなったのだ。時代の変化によってドライブインシアターが衰退していったことは、ある意味“必然”だったのもしれない。

 シアターの数も減少の一途をたどり、2014年時点で常設のシアターは米国では348館、日本では0館となった。もはや、日本ではドライブインシアターを楽しむことはできなくなったのだろうか。

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