トラックドライバーを冷遇するのに、医療従事者にはなぜかエールを送る人に欠けた「エッセンシャルワーカー認識」

ドイツでの画期的取り組み

　トラックドライバーは社会を支えているにもかかわらず、“謎の格差”によりリスペクトされなさすぎるのは日本だけの話ではない。

　この“謎の格差”を改善すべくドイツで立ち上げられたのが、トラックドライバーイニシアチブだ。このイニシアチブは、正式には

「Fahren fuer Deutschland（ドイツのために走る）」

といい、トラックドライバーをはじめ物流業界全体の社会貢献について発信し、トラックドライバーが権利と感謝を受けることを目的としている。

　この取り組みの面白いところは、トラックやバスのメーカーであるMAN Truck&Bus社が中心となって立ち上げて、物流会社が参加しているところにある。

　2023年は、取り組みのひとつとして「WIR BEWEGEN DEUTSCHLAND（私たちがドイツを動かしている）」とボディーに大きな文字を書いたトラックを90台以上配備して走らせた。

　さらには、アピール活動だけでなく「ありがとう」の意味を込めて

・大規模な感謝キャンペーン
・買い物クーポンの配布
・ドライバーの健康維持に向けた無料のオンラインカウンセリング
・トラック駐車スペースの整備に向けた署名活動

などを行っている。