トラックドライバーを冷遇するのに、医療従事者にはなぜかエールを送る人に欠けた「エッセンシャルワーカー認識」

キーワード :
,
トラックドライバーは、いうまでもなくエッセンシャルワーカーである。医療従事者同様に敬意を払うべきだ。

“謎の格差”の正体

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 新型コロナウイルス感染拡大のとき、医療従事者へ数多くの応援メッセージが送られていたのは記憶に新しい。もちろん、治療法も確立されていない未知のウイルスと戦っている最前線の医師や看護師を、真っ先に応援することに異論はない。また、困難な状況のなかで、支援が必要な人たちに寄り添ってきた方々への応援も理解できる。十分に尊敬に値する職業である。

 問題はその先にある。

 最前線の医療・介護従事者に続いて、本来ならトラックドライバーも応援されてもよかったのではないだろうか。

 トラックドライバーは、パンデミック(世界的大流行)で社会活動が次々と制限されているにもかかわらず、医薬品をはじめ、食料品や生活用品を

「今までどおり日夜運び続けてきた」

のだ。“社会の血液”ともいえるにもかかわらず、特に応援されることもなく黙々と運び続けてきたのだ。

 実際インターネットで、「コロナ」「応援メッセージ」を検索すると、ほとんどが医療・介護従事者に向けたもので、トラックドライバー向けは非常に少なかった。

 また、慰労金や特別感謝金についても、医療・介護従事者に対する公的なものを除き、企業が独自で行ったのは、店舗で働く従業員への支給が多かったように思える。コロナ禍でも走り続けたドライバーに対し慰労金を支給した会社は、経営体力の問題もあるが、あまり多くはないだろう。

全てのコメントを見る