国際見本市「リアル回帰」進む オンラインじゃ不十分? 大波に乗れてない日本企業

キーワード :
,
国際見本市などのリアルイベントへの回帰が進んでいる。世界的なCOVID-19が再び猛威を振るう国でも、企業がグローバルで活発に動き出している状況下で、日本企業の出展が少ないケースも。オンラインでの開催にも課題が見えてきている。

オンラインイベントに欠如していること

2021年10月に東京ビッグサイト青海展示棟で開催された危機管理産業展。日本でもリアル見本市が復活している(中島洋平撮影)。
2021年10月に東京ビッグサイト青海展示棟で開催された危機管理産業展。日本でもリアル見本市が復活している(中島洋平撮影)。

 前述した「グローバルビジネス再開の波に乗り遅れるな!」で講演した、複合工作機械メーカー中村留精密工業株式会社の紙野精一常務取締役は、2021年10月4日から9日までイタリアのミラノで開催された製造業向けの見本市「EMO MILANO」に参加した感想として、次のように話した。

 オンラインイベントでの提案は出展者からの一方通行になる傾向があり、対面して顧客の悩みを聞き、それに最適化したソリューションを提案できるリアルイベントの価値を再確認した、という。また、インフォーママーケッツ・ジャパンのクリストファー・イブ社長は、オンラインイベントには新製品とのランダムな出会いがなく、また商品購入評価で感覚的な体験が欠如していると指摘している。

 オンラインイベントには、旅費や宿泊費を必要としないというメリットがあることから、参加者の増加と活発な商談も見込まれていたが、フランス見本市協会の井田絵里佳日本代表は、紙野氏が述べた“一方通行”になる傾向や、イブ社長が述べた感覚的な体験の欠如などが心理的なブレーキとなるためか、オンラインイベントでの商談では取引額が小さくなる傾向があると述べている。COVID-19の感染動向にもよるだろうが、こうした理由から今後は世界的にリアルイベントの開催が増加していくものと思われる。

 世界各国の企業はリアルイベントの開催増加を絶好のビジネスチャンスと捉えている。ドイツのデュッセルドルフでは11月14日から17日の4日間、医療機器展「MEDICA」と医療機器の加工技術と部品材料展「COMPAMED」が開催されたが、日本と同等以上の厳しい渡航制限を自国民に課している韓国からの出展は、前回(2019年)に比べて倍増している。しかしその一方で日本企業の出展は前回の197社から3分の1以下の64社へと激減した。

 COVID-19の感染拡大以降、日本は産業界のみならず社会全体がその脅威に怯えて内向きになっていると筆者(竹内 修:航空ジャーナリスト)には感じられる。しかし世界は正常化に向けて着実に動き出している。いつまでも内向きのままでは国際的な競争力を喪失することは必至で、そろそろマインドチェンジが必要なのではないかと筆者は思う。

全てのコメントを見る