国際見本市「リアル回帰」進む オンラインじゃ不十分? 大波に乗れてない日本企業

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国際見本市などのリアルイベントへの回帰が進んでいる。世界的なCOVID-19が再び猛威を振るう国でも、企業がグローバルで活発に動き出している状況下で、日本企業の出展が少ないケースも。オンラインでの開催にも課題が見えてきている。

国際見本市「復活ラッシュ」 未だ制限が厳しい国からも

ドバイエアショー2021の様子(ドバイエアショー2021公式動画より)。
ドバイエアショー2021の様子(ドバイエアショー2021公式動画より)。

 2021年11月14日から18日まで、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイで、中東最大規模の航空宇宙防衛業界のトレードショー(見本市)「ドバイエアショー2021」が開催された。COVID-19(2019年型新型コロナウイルス)の感染拡大以降、久々に開催された大型エアショーは大きな盛り上がりを見せた。

 2020年3月以降、航空宇宙防衛業界のトレードショーは軒並み中止や延期を余儀なくされている。世界各国からの来場者を受け入れ、7航空機の展示や企業による製品展示を伴う国際的なリアルイベントの開催は、2020年2月のシンガポールエアショー以来のこととなった。

 その2020年のシンガポールエアショーでも、アメリカのロッキード・マーティンやイタリアのレオナルドといった欧米の主要なメーカーは出展を見送っていた。開催国のドバイ首長国は事前のPCR検査などの条件を付けてはいるものの、基本的に日本や欧米諸国などの観光客を受け入れており、また10月1日からは予定通りドバイ国際博覧会を開催するなど、外国人の入国に対して厳しい規制を設けている大多数の国々とは一線を画している。ただ、それでもドバイエアショーの開催前は、外国企業の出展や外国からの来場者が集まるのかを疑問視する声もあった。

 しかし蓋を開けてみると、ドバイエアショーには欧米はもちろんロシア、中国などの主要なメーカーが軒並み出展しただけでなく、自国民に厳しい渡航制限を課している東南アジア諸国などの企業も出展。12月1日時点で来場者数は発表されていないものの、現地を取材したビデオグラファーの布留川 司氏は、COVID-19の感染拡大以前に開催された航空宇宙防衛業界のトレードショーに比べて外国企業の出展や来場者が少なかったという印象は無く、航空宇宙防衛関連の企業がCOVID-19の収束後を見据えて、活発に動き出していると感じたと述べている。

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