タワマン乱開発の深刻な「副作用」 居住世代の偏向&来たる急激高齢化、持続可能な都市は本当につくれるのか?

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地価上昇は人口減少のなかで起こっており、全国で力強い需要が続くことは考えにくい。新たに発展する地域の裏には衰退する地域がある。持続可能な都市はつくれるのか。

富山市の日曜歩行者数「14%減」

婦中町にあるフューチャーシティー・ファボーレの位置(画像:OpenStreetMap)
婦中町にあるフューチャーシティー・ファボーレの位置(画像:OpenStreetMap)

 ただし、こうした施策を行っている富山市でも、郊外での開発は止まっていない。

 富山市郊外の婦中(ふちゅう)町では大型ショッピングセンターのフューチャーシティー・ファボーレを核として住宅建設と商業施設の建設が続いている。

 この一帯は開発を制限すべき「市街化調整区域」も含んでいるが、市中心部の半分以下で土地が買え、買い物もファボーレで済ますことができることから、若い世代を中心とした人口流入が続いているのだ。

 一方、富山市の中心地域の活性化はうまくいっておらず、日曜日の歩行者数を2016年に5年前比で17%増やす目標を掲げていたが、実際は

「14%減」

になっている。富山市の周辺では、2015年にイオンが砺波市、三井不動産が小矢部市、コストコが射水市に大型商業施設を開業させており、消費はこうした施設に吸い上げられているのだ。

 富山市のなかには県による広域調整に期待する声もあるが、2000年代の地方分権改革で街づくりの主導権は市町村が握るようになっており、広域の都市圏を考えた都市づくりは難しくなっている。

「ユーカリが丘」という名の可能性

ユーカリが丘線(画像:写真AC)
ユーカリが丘線(画像:写真AC)

 では、どうしたら持続可能な都市づくりは可能なのか。

 本書の後半で紹介されているのが、千葉県北部に位置する佐倉市のユーカリが丘である。ユーカリが丘については、地図で、その変わった地名や、そこに小さな円を描くように走っている新交通システムのユーカリが丘線を見たことがある人もいるかもしれない。

 ユーカリが丘は中堅デベロッパーの山万(東京都中央区)が開発しているニュータウンで、1971(昭和46)年に開発が着手され、1979年から分譲が始まっているが、現在まで一貫して人口が増え続けている。

 ニュータウンに関しては各地で高齢化とそれに伴う人口の減少が起きているが、ユーカリが丘は分譲開始から40年以上もたつにもかかわらず、まだ人口が増えており、しかも若い世代も流入している。これは山万が

「1年間の分譲は200~300戸」

という鉄則を掲げて、長期の開発を行っているからだ。

 ユーカリが丘の総開発面積は245ha、開発時の計画で掲げて人口目標は3万人だが、現在は約1万8000人が住んでおり、空き地も残っている。これは売れ行きが悪いからではなく、あえてそのようにしているのだ。

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