船の“自律航行”実現近い? 「EVロボティックボート」体験 効率◎な海上移動の可能性

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水上モビリティの自律航行システムを手掛けるエイトノットの「EVロボティクスボート」を体験。目的地を設定するだけで自動航行、桟橋には充電システム――効率的な移動を実現する水上インフラが現実味を帯びてきている。

自律航行の実現は間もなく? 大阪万博を視野に構築中の水上インフラ

ゼロエミッションマリーナで行われたデモ(深水千翔撮影)。
ゼロエミッションマリーナで行われたデモ(深水千翔撮影)。

 陸上交通の混雑を避けて効率的な移動を実現する自律航行の海上交通、そんな技術が実現に近づきつつある。小型水上モビリティの自律航行システム開発を手掛けるエイトノット(大阪府堺市)が、電動船外機を搭載した「EVロボティックボート」による自律航行機能の実証実験に取り組んでいる。
 
 同社は2023年後半には物流サービスを実現し、大阪・関西万博が開かれる2025年には旅客サービスへの展開を目指す。2021年11月10、11日にはEV船販売(東京都港区)が再生可能エネルギーのみで稼働する電動マリーナのモデル基地として堺市に設置した「ゼロエミッションマリーナ」で、EVロボティックボートがメディアや業界関係者などに公開された。

 実証実験艇のEVロボティックボートにはAI技術を用いた自律制御システムが組み込まれており、目的地を設定するとコンピューターが最適な航路を選択して航行する。船首側に設置されたLiDARセンサーが針路上に障害物を検知した場合は、自律的に舵や推進器を動かし回避操作を実施。GPSの位置情報を基にした自動着桟機能も備える。

 同船が接岸するゼロエミッションマリーナには、変圧器大手のダイヘン(大阪市淀川区)が開発した船舶向けワイヤレス充電システムを設置。小型自律航行船の高頻度運航を想定し、有線ケーブルに頼らない充電方法を確立するため、充電性能の向上や装置のデザインや耐久性の検証などを行う。

 エイトノットの木村裕人社長は「水上移動を使った方が効率的に移動できる場面がある。自律航行を活用することで人が自由に行き来できるようになるのではないか」と話す。