横須賀~富津を結ぶ「東京湾口道路」は本当に実現可能? 協議会9年ぶりに開催も、過去発言に見る両者の埋めがたい“温度差”
地元自治体の考え

このような東京湾アクアラインの混雑の背景を知った上で、地元自治体はどのような発展計画があると考えているのか。2023年6月の富津市議会で高橋恭市市長は、こう答弁している。
「東京湾口道路が完成しますと、東京湾岸道路や東京湾アクアラインなどとともに、東京湾岸を「8の字」に結ぶ「東京湾環状道路」が完成します。これにより、東京湾岸に拡がる各種の都市機能や産業の連携が強まり、首都圏と房総地域のアクセスがより一層向上します。本市にとりましても、東京湾アクアラインの着岸地である木更津市金田地区周辺で見られるような都市開発が進み、産業や観光の振興、雇用の創出、人口の増加といった効果が見込まれるのではないかと思われます」
つまり、「三井アウトレットパーク木更津」のある木更津市金田地区のように、アクセスがよくなるというわけだ。
富津市は道路が地域に発展をもたらすことを今でも期待しているが、湾の反対側にある横須賀市は東京湾口道路を過去の計画として放棄している。現在の横須賀市基本計画でも、東京湾口道路に関する記述は削除されている。
横須賀市議会で東京湾口道路について言及されたのは、2015年4月が最後だ。当時の吉田雄人市長はそのとき、
「東京湾口道路は、東京湾アクアラインに匹敵する巨大な公共事業であり、道路ができれば、アクアラインと同様にレジャー活動のみならず、物流など経済活動についても効果があると考えています。しかし、そこに投入する公費として、費用対効果は考えなければならないと思っています。市として、本当に必要な道路については、これまでも三浦半島地域広域幹線道路整備促進期成同盟において積極的に要望活動を行ってきましたが、その活動の経過において、東京湾口道路は要望から外してきたところです。(中略)現時点で、国からの働きかけは特段ありませんので、市としても当面整備に向けた要望を行うつもりはありません」
と答えている。