横須賀~富津を結ぶ「東京湾口道路」は本当に実現可能? 協議会9年ぶりに開催も、過去発言に見る両者の埋めがたい“温度差”

キーワード :
, ,
千葉県で、東京湾アクアラインに次ぐ新たな道路の建設計画が盛り上がっている。7月、富津市役所で同県13市町の首長が集まり、「房総地域東京湾口道路建設促進協議会」が9年ぶりに開催されたのである。

“夢物語”が現実味を帯びたワケ

横須賀市(画像:OpenStreetMap)
横須賀市(画像:OpenStreetMap)

 結局、2008(平成20)年に閣議決定された「国土形成計画」で

「湾口部、海峡部等を連結するプロジェクトは長期的視点から取り組む」

として、計画が凍結されるに至った。それ以降は、千葉県側で細々と要望活動が行われる程度だった。

 こうして実現性のない“夢物語”のままだった東京湾口道路が、なぜ現実味を帯びるようになったのか。それは冒頭のとおり、東京湾アクアラインの混雑にある。

 開通当初、東京湾アクアラインは普通車で4000円という高額な通行料金のため、利用者は少なかった。2002年にETC車の通行料金が2320円に値下げされ、2009年には当時の森田健作知事が社会実験として800円への大幅値下げを実施した。これは社会実験として「継続」されている。現在、ETC普通車の800円は2024年まで継続されることになっている。

 値下げ効果により、1998年1日あたり1万台だった交通量は2022年に、

「5万1800台」

まで増加した。そのため、慢性的な交通渋滞が発生し、解決策が急務となっている。2023年7月には、熊谷俊人県知事が橋梁部分の車線幅を広げ、さらにトンネルを掘って6車線にすることを提案したほどだ。

 もっとも、この交通量を支えているのは国と千葉県である。国と千葉県は年間5億円ずつ負担することで、普通車800円の料金を維持しているのだ。東京湾アクアラインの実態は、「補償付き低料金」が維持できなければ、途端に敬遠される――なのだ。

 東京湾アクアラインの経済効果が顕在化したのも、通行料金が引き下げられてからである。東京湾口道路も同様に、開通後は国や県が費用を負担し、低料金で交通量を増やすことが前提となっている。

全てのコメントを見る