三菱自動車が生んだ「マレーシア国民車」 いまや“中国の支援”で大躍進していた【連載】方法としてのアジアンモビリティ(5)

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急速に変化・成長する経済圏として、世界的に注目されているアジア。この地域発のモビリティ・アプローチが、今後の経済において重要な役割を果たすことはいうまでもない。本連載では、アジアにおけるモビリティに焦点を当て、その隆盛に迫る。

吉利親会社の株大量取得

マレーシアのクアラルンプール(画像:写真AC)
マレーシアのクアラルンプール(画像:写真AC)

 2009年4月、マレーシアの首相は、アブドラ氏からナジブ・ラザク氏に交代した。AFTAによる自動車関税が撤廃されたのは、翌2010年のことだ。プロトンはさらに厳しい状況に追いこまれていった。プロトンの国内シェアは2014年には20%を割り込んだ。

 こうしたなかで、2014年5月にマハティール元首相がプロトンの会長に就任し、経営再建に乗り出した。2015年6月には、プロトンはスズキと協力関係を進めることに合意している。

 しかし、マハティール氏とナジブ政権との対立が先鋭化し、マハティール氏は2016年3月にプロトン会長を辞任した。プロトンの新たな提携先としては、スズキのほか、吉利、PSA(プジョー)、ルノーなどの名前が挙がっていたが、2017年5月、吉利汽車の親会社である浙江吉利控股集団がプロトン株の49.9%を取得し、DRB-ハイコムに次ぐ株主となったのである。

 これに合わせて、吉利はプロトン傘下の、イギリスの名門自動車メーカー「ロータス・カーズ」の株式も51%取得した。2023年1月には、ロータスのEV子会社ロータス・テクノロジーが米店頭市場ナスダックに上場している。

 一時は10%程度にまで落ち込んだプロトンのシェアは、現在20%まで回復している。かつて三菱自動車の支援によって圧倒的シェアを誇ったプロトンは、今吉利の支援で再びシェア拡大に向かいつつある。

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