東海道新幹線の「車内販売」はなぜ令和の今まで続いたのか? 駅コンビニ隆盛時代の謎
JR東海が東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」の車内販売を2023年10月末で終了すると発表した。この決定を受け、インターネット上では人気を博した商品を惜しむ声が多く上がっている。
販売ゼロ、大丈夫か

実際、運賃の安い飛行機との競争が激しかった当時、乗客獲得のために「のぞみ」のサービスは強化された。車内販売では、コーヒーや「シンカンセンスゴイカタイアイス」などの名物が販売されたが、それだけではなかった。
1990年代、東海道新幹線はアルコール販売にも力を入れ、1992年にワイン、1997年にスコッチウイスキー、1998年に生ビールを発売した(ジェイダイナー東海が導入)。
しかし、品ぞろえは充実したものの、この展開は2000年代に頭打ちとなった。いくら商品を増やしても、搭載できるアイテム数は限られている。2000年代に入ると、JR各社は駅売店やコンビニエンスストアの拡充にリソースを割くようになった。
従来の車内販売よりも多くの商品を乗車前に購入できるようになったことで、車内販売の魅力は薄れてしまった。
しかし、車内販売がゼロになるのは少し心配だ。これまでも在来線の特急列車では車内販売が廃止されることが多かった。各駅停車の特急列車は停車時間が短く、乗客が乗車駅で食料を買い忘れると、空腹で目的地まで我慢しなければならないこともある。
山陽新幹線は今後も車内販売を続けるようで、乗客からの要望もありそうだ。