レンタカーが無人でやって来る! 米国で遠隔操縦「配車ビジネス」人気、完全自動運転までの“つなぎ”となれるか
自動運転の先進国である米国において非常にユニークなサービスがスタートしている。それは遠隔操縦によるレンタカーの無人配車である。これはどういったビジネスなのか。
先進的かつ堅実なビジネスモデル

こうした無人遠隔操縦技術は、あくまで完全自律自動操縦が安定して実用化されるまでの
「つなぎの技術」
と見ることもできる。
ちなみに同じ米国のカリフォルニア州サンフランシスコでは既に完全無人自動操縦によるタクシーが実用に供されている。しかしノートラブルでの運用には至っていない。2023年4月の時点で、本格的な運用が開始されてから7か月の間におよそ
「90件」
のトラブルが通報されたといわれている(その多くが路上での走行不能)。
自動運転において問題となるのはまさにここにある。人工知能(AI)やアルゴリズムがいかに進化しようとも、そこに完全はあり得ない。万が一のトラブルに際して迅速に対応するためには何が重要なのかを考えた場合、最終的に人が介在することが一番の早道である。
これらを前提にすると、Halo.Carのビジネスモデルが先進でありながらも実に
「堅実」
であることがわかる。
確かに無人での完全自動運転は未来性という意味では素晴らしい。しかし、サンフランシスコでの例を見るまでもなく、自動車ビジネスにおいては
「スピードよりも信頼性」
が重視されたほうがいい。そういった観点から見ると、拙速に陥ることなく段階を踏んだ後に社会的な認知を目指すというHalo.Carの姿勢はまっとうである。
将来、日本でも自動運転タクシー等が実用に供されるだろう。しかし、最終的に信頼を担保するのは人間であるという事実は簡単に覆らない。人間はミスをするがAIはミスをしないという見方もあるが、緊急時の完璧な対応力までAIに要求するのは時期尚早ではないか。