自動運転の「事故責任」は誰にある? 世界で多発する事故に見る安全性の行方とは
世界で起こる自動運転による事故

現在話題となっている「自動運転」。一見、ユーザーにとって便利で安全そうに見えるが、実際は多くの衝突事故が発生している。まずは世界で起こっている事故件数を見ていこう。
米国運輸省道路交通安全局は2022年6月15日、自動運転による衝突事故発生数を世界で初めて公表した。それによると、2021年6月29日から2022年5月15日までの間、事故は約500件以上に上った。
自動運転は技術到達度によって、以下の六つのレベルに分けている。
・レベル0:運転自動化なし
・レベル1:運転支援
・レベル2:部分運転自動化
・レベル3:条件付き運転自動化
・レベル4:高度運転自動化
・レベル5:完全運転自動化
レベル2(部分運転自動化。システムがハンドルやブレーキなどの操作をサポート)の事故発生数は392件で、そのうち死亡が報告されたのは6件だった。人の操作がほとんど不要なレベル3~5は130件で、死亡事故は0。着実に自動運転レベルは上がっているものの、衝突事故が発生しているのが現状だ。
事故は日本でも起こっている。2021年8月から9月まで開催された東京パラリンピックにおいて、選手村で自動運転のバスが運行された。その自動運転のバスが選手のひとりに衝突し、左足に軽いケガを負わせた。
インターネット上では日本での自動運転に対して「できる派」「できない派」で対立している。例えば、できる派からは
「まだ先にはなると思うけど、全然可能だと思う」
「人為的ミスがないので安全性が高いから実現するべき」
といった声がある。
一方、できない派からは
「事故というのはイレギュラーなので、それに対応できるか疑問。機能よりも法整備がしっかりしない限り、難しいと思う」
など、厳しい意見も数多く寄せられている。日本で自動運転化が実現するのは、まだ課題が少なくないのだ。