ビッグモーター問題の本質! 反社でもない真面目な社員が、なぜ「組織悪」に加担したのか? 経営陣の糾弾だけでは再発を招く
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ビッグモーター問題はもちろん法的・組織論的には経営陣の責任は免れない。しかし、ほかにも考えるべき本質的な疑問があるのではないか。
組織の悪はすべて経営者が原因か

各種報道でご存じのとおり、ビッグモーターに関してさまざまな疑惑が取り立たされている。
修理に出したクルマをさらに傷つけて保険金を詐取したり、クルマが見えやすくするために店舗前の街路樹(公共物)を除草剤などで枯らしたりなど、もしこれらが真実であれば、かなりひどい仕業だ。
報道の方向性を見ていると、前の経営陣の強権的なマネジメント(理不尽な降格人事や、日常的なパワハラ)が原因ではないかと、非難が経営陣に集まっている。もちろん法的・組織論的には経営陣の責任は免れない。しかし、ほかにも考えるべき本質的な疑問があるのではないか。
悪を実行していたのはふつうの人たち

もし経営陣のマネジメントが悪だったとしても、なぜ組織のなかの人たちは、その悪を受け入れていたのかということだ。
内実はさらなる調査が進まなければわからないが、報道などで元社員や現社員からの告発を見ていると、個々の社員は当然ながら喜々として悪に手を染めていたわけではなく、ふつうの良心を持っており、その呵責(かしゃく)に苦しんでいたことがわかる。
彼らは
「暴力団員でも反社でも」
ない。
それにも関わらず、いくら経営陣が悪だったとしても、そのまま受け入れてしまったのがなぜなのかということだ。ここがわからなければ、今後も似たようなことが起こることだろう。