ビッグモーター問題の本質! 反社でもない真面目な社員が、なぜ「組織悪」に加担したのか? 経営陣の糾弾だけでは再発を招く
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ビッグモーター問題はもちろん法的・組織論的には経営陣の責任は免れない。しかし、ほかにも考えるべき本質的な疑問があるのではないか。
ここで頑張るしかないと思う

転職に関しても
「こんな自分が他の会社で通用するわけがない」
「見捨てられてしまったら、自分はおしまいだ」
「自分が辞めたら、仲間に迷惑がかかるから無責任なことはできない」
「退職することは逃げることで許されることではない」
など、さまざまな「おかしい」思考が生じてしまい、さらにそこに会社からの
「絶対に辞めるなど許さない」
などの強い慰留や、長時間労働で考える余裕がなくなっているようなことが加わって、結局、残るのではないかと思う。
いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる企業にあえて入る人は目標達成意欲も高く、真面目な人も多いといわれるから、以上のような思考も起こりやすいのではないだろうか。
心身の健康を保つ

私はこのような組織ぐるみの悪に対して、社員の心身の健康問題が隠れているのではないかと思っている。
極端すぎる例かもしれないが、カルト教団の事件などでも、深く問題を探っていくと、信者の心身の健康を奪う(寝かせない、絶食させる、薬物を用いるなど)行為があり、悪行を実行した信者が正常な判断ができていない状態であったというようなことがあった。
もちろんどういう理由があろうとも悪行が許されるわけではないが、単純にやった行動をとがめて罰したところで似たようなことは繰り返されるだろう。
最近注目されている「健康経営」、社員が健康で正常な思考ができるような状態であることで、組織悪を引き起こすベースがなくなるのではないか。