神奈川の謎! JR横浜駅にはなぜ「待合室」が存在しないのか?
多くの旅客が行き来するJR横浜駅構内だが、長距離旅行者が大勢待機できるほどの「待合室」がない。いったいなぜなのか。
半世紀前から続く「立ちん坊」問題

駅に行ったらすぐに列車に乗らなければ、身の置き所もないような横浜駅。過去の報道をひもとくと、待合室の不備は半世紀前からいわれていたことだった。
1975(昭和50)年5月17日付の「神奈川新聞」は、ずばり「待合室のない駅」として当時の国鉄横浜駅を紹介している。
「国鉄横浜駅には待合室がない。一日平均六十万人、乗り換え客七十万人を合わせると百三十万人が右往左往する駅に『待合室がないなんて』との苦情もチラホラ。大きな団体やグループで集合する際、よく利用されるのは、東口の旅行センター横で、立ちん坊の人たちでごったがえす(略)お年寄り、幼児のためにベンチ一つぐらい―と見回しても、それはない」
記事によると、東口の駅舎には1966年末まで待合室があったものの、「みどりの窓口」や食堂などに改装され消滅したという。限られた空間に設備を増やしたことで、結果的に待合室が廃止されたようだ。そして、同記事は、興味深い記述で結ばれている。
「現在、東口の再開発が開発公社の手で進められており、三年後をメドに駅全体が新しい駅ビルとして生まれ変わる予定。この時こそ東口には『立派な待合室をつくることになっている』そうだ」
記事にあった「新しい駅ビル」が実際に完成したのは、1980年のことだった。しかし、このとき、国鉄駅構内に待合室ができたという記録は見当たらなかった。記事が間違っていたのか、あるいは計画が変わってしまったのか……。いずれにせよ、待合室がないの“伝統”ルーツを知る逸話ではある。