福島県で2例目の「AIルート自動選定」デマンドバス きめ細かく「仮想バス停」を配置
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乗降バスはきめ細やかな「仮想バス停」から
AIが自動でルートを生成し、運行計画を立てるデマンドバスの実証実験が、2021年11月8日(月)から福島県西会津町で始まる。
「西会津町デマンドバス こゆりちゃん号」と名付けられたこのデマンドバスの実証実験は、西会津町、会津乗合自動車株式会社、Via Mobility Japan、みちのりホールディングスが実施する。ジャンボタクシー車両を用意し、2022年3 月31日まで実証運行、その後は結果をふまえて本運行へ移行する考えだ。
みちのりホールディングスらは2021年7月に西会津町との間で「西会津町民バスの輸送サービス向上に向けた連携・協力に関する協定事項」を締結。AIデマンドバスの導入やデジタル技術の活用、多様な輸送サービスの検討や実証などを実現するため事業を進めていた。
みちのりホールディングスではこれまでも、Via Mobility Japanとの協働により、AIデマンドサービスを福島県会津若松市の「MyRideさわやか号」、茨城県日立市のデマンドサービス、同高萩市の「MyRideのるる」と複数市町で展開。同社によるAIデマンドバスの導入は福島県では2例目となる。
デマンドバスを利用する際は、スマートフォンアプリ「西会津町デマンドバス こゆりちゃん号」もしくは電話で、現在地と目的地を指定し配車を依頼する。乗降場所は既存バス停207か所、標柱のない仮想のバス停(VBS)100か所の計307か所が設定されており、リクエスト状況からAIがルートを計算し、効率的な配車・運行を行う。
運行は7時台から19時台まで、JR磐越西線の野沢駅を拠点として、一日あたり3~8便が設定される。予約受付時間は午前8時から午後5時まで。運賃は前日まで登録・予約済みの町民が200円、それ以外は300円(こども半額)。また、100円~150円を支払うことで手回り品の持ち込みも可能だ。
AIデマンドサービスのメリットは、あらかじめ決められたルートに縛られないため、乗降場所がよりきめ細やかで面的な配置が可能となり、受益範囲が広くなる点。またコスト面でも、利用者がいないまま車両を走らせる、いわゆる「空気輸送」が最小限になるため、既存の路線バスに比べて柔軟なダイヤ設定が可能となることが期待される。