いまだ闇の中? 都内23区をぐるりと回る「東京環状地下鉄構想」の現在、結局どこへいったのか
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「そういえば、わが街の地下鉄環状線計画はどうなったのか」と思い出した都民も少なくないだろう。地下鉄環状線計画とは、俗にいう東京地下鉄環状線構想のことだ。いったいどこへいったのか。
事情通の見解

これに対し、賛成を唱える事情通は、
「「果たしてメリットがあるのか」との批判だが、「インバウンド年間6000万人」を今後の成長エンジンに据え「観光立国」を国家戦略の柱に掲げた日本の“首都”に対して、鉄道網への飽くなき投資こそが、いわばメリットを引き出す「1丁目1番地」では。事故・遅延のたびに迂回路に事欠くようでは、国際都市間競争で出遅れ、投資先としての魅力すら失いかねない」
と反論する。
別の賛成論者は、
「もはや鉄道に「採算」を持ち出すこと自体ナンセンスでは。もちろん1960~1970年代に渦巻いた、地元政治家による無為無策の国鉄新線計画、いわゆる採算無視の“我田引鉄”は論外だが、国家戦略的に必須の鉄道インフラはむしろ国の強力な後押しで整備すべきで、有効手段のひとつが「上下分離方式」の積極採用だ。国家安全保障に不可欠な鉄道に対し、目先の採算ばかり追求していると、極端な話、今後日本での新路線建設などもっての外で、それどころか既存路線も山手線と東海道新幹線以外は全部廃止という、何ともばかげた話に陥りかねないだろう」
と警鐘を鳴らす。
ちなみに「上下分離方式」とは、鉄道の建設や維持、修繕などインフラ部分を国や自治体が引き受け、鉄道会社はこの上に列車を走らせて使用料を払えばいい、という発想である。
果たして環状線構想は東京にとって「競争力アップの特効薬」か、逆に
「巨額負債の劇薬」
なのだろうか。