いまだ闇の中? 都内23区をぐるりと回る「東京環状地下鉄構想」の現在、結局どこへいったのか
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「そういえば、わが街の地下鉄環状線計画はどうなったのか」と思い出した都民も少なくないだろう。地下鉄環状線計画とは、俗にいう東京地下鉄環状線構想のことだ。いったいどこへいったのか。
「1兆円超」という総工費は安いか高いか

環状線構想は当然のことながら、国交大臣の諮問機関である交通政策審議会が、2016年にまとめた答申198号「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」で、「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」に選ばれた16案件のひとつで、
「国のお墨付き」
を得ている。
しかも、その前の運輸政策審議会答申第18号(2000年)でも
「今後整備について検討すべき路線」
と、国がみなした有望株でもある。だが推定1~2兆円と目される巨額な総工費に「果たして採算が合うのか」という批判も強く、これまで足踏み状態が続いていた大きな理由のひとつであるのも事実だ。
ところが、同じく答申198号にノミネートされながら、塩漬け状態だった都営大江戸線やメトロ有楽町線などの延伸計画が、2023年2月に立て続けに完成に向けて動き始めた。このため、しばらく冬眠状態だった環状線の促進協議会も、これを好機と捉え、今後勢いづくことは間違いないだろう。
一方、賛否両論は相変わらず渦巻いており、まず反対意見としては「人口減少、少子高齢化、リモートワークで鉄道利用者が漸減する中、1兆円超の税金を注入して新路線を造ったとして、費用対効果はどうか、投資資金は何年後に回収できるのか、全く見えない」に集約されるようである。