いまだ闇の中? 都内23区をぐるりと回る「東京環状地下鉄構想」の現在、結局どこへいったのか

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「そういえば、わが街の地下鉄環状線計画はどうなったのか」と思い出した都民も少なくないだろう。地下鉄環状線計画とは、俗にいう東京地下鉄環状線構想のことだ。いったいどこへいったのか。

都心に向かうスポーク路線を横串に通す

都営地下鉄(画像:写真AC)
都営地下鉄(画像:写真AC)

「2」は「1」にも関連するが、スポーク路線同士を環状線という横串を通してつなぎ、真の意味での「ネットワークの強さ」を発揮するという発想だ。

 例えば、あるスポーク路線の「山手線~武蔵野線」区間で事故が起き長時間不通に陥った場合、都心に向かいたい乗客の大半は、武蔵野線まで引き返して迂回するか、バスやタクシーに乗るため長蛇の列を覚悟するか、または帰宅するか3択を迫られる。もちろん、都営地下鉄大江戸線や京王井の頭線など、幸いにも接続路線があり、すぐ乗り換えて代替輸送で都心へ、という場合もあるが、こうした例は少数派だろう。

 こうした何十万人という乗客の時間的ロスによる経済的損失は甚大で、これまでの事故や遅延の発生数を勘案すれば、

「仮に30年というスパンで考えると、軽く1兆円の大台を超すのでは」

との説もある。

 環状線で東京圏の鉄道網に「利便性拡大」「混雑解消」はもちろん、

「緊急時の迂回路確保」

で経済的損失の軽減も目指し、「交通の便がよく、車に頼らずSDGsにも貢献するTOKYO」をアピールし、今後熾烈(しれつ)さを増す国際都市間競争で生き残る、というのが、どうやら促進協議会側が描く野望でもあるようだ。

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